友人の父上が豊川稲荷商店街の活性化に取り組まれているということで、是非お話をさせていただきたく伺いました。実は、私は学生時代、自分のNPOで名古屋市の道徳商店街の活性化に取り組んだり、早稲田商店街活性に関わっており、勉強の為に全国の商店街を歩いたりしておりました。自分のNPOでは、「まちづくり」が一つの柱であり、商店街活性は、まちづくりの中でも特に大きな位置を占めるからです。
伺った場所は、いっぷく亭というカフェ+ギャラリー+文化教室、お土産物屋さんという構成の商店街や地域の方々のサロンでした。発展する商店街には、必ずこういうサロンがあり、そこに様々な人やモが自然と集めるコーディネーターがいるものです。例えば、そこにある土産は、単に大量生産されたものではなく、障害者の方々が授産施設でつくったものということでした。また壁の絵は、文化教室に通う地域の人たちが描いたものでした。
こういう地域の様々な人にかかわったものが集まる所こそ、その地域の特性が現れ、地域のきずなの象徴となるはずです。
さてさて、それでは、話した内容:
商店街は、地域のきずなの基本です。商店街は地域コミュニティ再生の軸です。私は、地域のきずなの再生こそ、地方集権、道州制のカギだと思っていますし、さらに言えば日本の財政問題や貧富格差の問題にも解決できるキーワードだと思っていますので、是非ともやりたいわけです。しかし、現在、シャッター通りと全国の商店街が厳しい状況に立たされています。
それでは、何故、商店街が盛り上がらないのか?
①高齢化で消費が伸びない、②インターネット出現等で皆が商店街で買い物をしなくなった。
①に関しては、私もまったくの同意です。日本は輸出の国のように言われていますが、実はGDPの80%は内需であり、その基盤は国民の消費です。高齢化するとみなさん、将来への不安でなかなか消費をしようとしない、そして高齢者にとってほしいと思うサービスや商品もない、その結果、貯蓄が多く消費が少ないわけです。
これを打破するには、どうすればよいでしょう。一つは高齢者ビジネスがもっと発展し、こんなことにお金を使いたいと思ってもらえるサービスが増えることでしょう。シルバービジネスはここ数年ずっと注目されていますしね。しかし、何より大切なことは、高齢者の方が安心して生活できることです。年金、医療、介護、福祉といった分野が日本では、「崩壊」「不足」といった言葉が付け加えられて表現されます。私は、自分の専門分野である社会保障を安心できるものとすることには、高齢者が安心でき、消費して楽しい人生を送ってもらえるようにする効果もあると思っています。高齢者の人生を必ず豊かにするはずです。
②インターネット出現に関しては、大量生産のものや価格競争では、商店街はなかなか勝てないということです。では、どうすればよいか?
そこにしかないものを売ることでしょう。大量生産されたものでも、たとえばネームを掘るとか、ちょっとしたデザインを加えるとか、創意工夫をしていくことでしょう。もちろん、それで売り上げが2倍になるわけではありません。しかし、そういう創意工夫をしていこうという姿勢こそ、非常に重要ではないでしょうか。
成功している商店街活性。たとえば京都のとある商店街では、高齢者向けの宅配サービスを行ったり、商店街共通のポイントカードで大成功しました。しかし、その原点は、一人一人の商店主の創意工夫でした。それが集まって、何度も何度も失敗する中で磨かれ、現在のシステムをつくったといいます。やはりこういう創意工夫のマインドが重要だということでしょう。
このようなお話をしていたが、あっという間に1時間が経過。非常に楽しく、そして、興味深いお話でした。