最近、「リスキリング」という言葉をよく耳にしませんか?
第210回臨時国会における岸田総理の所信表明演説内でも触れられており、2022年の新語・流行語大賞にもノミネートされたことでも話題になりました。
今回はこの「リスキリング」というキーワードについて、その意味や、注目される理由、メリット、経済産業省の補助金事業などについて、簡単にわかりやすく解説していきます。
「リスキリング」の意味とは?
リスキリング(Reskilling)とは、「働き方の変化によって必要になるスキルの学び直し」を意味します。
すなわち、既存のスキルをアップデートして、将来の仕事やキャリアに適応するために必要な能力を獲得することを指します。
英語で考えてみると、「Re(リ)」+「Skilling(スキリング)」。そのまま「学び直し」の意味で取れるので覚えやすいですね。
リスキリングが注目されている理由
ではなぜ、今このキーワードが話題になっているのでしょう。
それは、IT化、AIの台頭、Web3の技術確立などによって、以前は需要があった仕事が減少したり、労働市場の需要と供給のギャップが生じて、労働者が新しいスキルが求められるようになったりして、キャリアシフトが迫られる現状にあるからです。
そして、この3年のコロナ禍で私たちを含めてまさに全員がその現状を突きつけられました。
だからこそ、ビジネスの関係の方々はもちろん、幅広い分野の方々が「リスキリング」を意識して、口にするようになったのです。
大人も学び直しが迫られている時代になってきましたね。
リスキリングのメリット
しかし、一概にネガティブな理由でリスキリングをする方ばかりではありません。
もちろん、自分の職がAIやロボットに代替されるという危機感から、差し迫ってリスキリングの必要性を感じている方もいらっしゃいます。
一方で、「人生100年時代」に突入して、自分の人生キャリアを長いスパンで考えたときに、やってみたいこと・挑戦してみたいことに取り組むためにスキルを付ける、という積極的な動機づけでリスキリングの機会を求める方や、その機会を提供する企業もたくさんあります。
経済産業省、リスキリングキャリアアップ支援事業者に補助金も
経済産業省は、リスキリングを通じたキャリアアップ補助を行う事業者の支援ため、「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」といった補助金事業を行っています。
➀「キャリア相談対応」、➁「リスキリング提供」、➂「転職支援」までを一体的に実施する体制を整備する目的で公募を行い、採択された事業者に補助金をつけています。
2023年6月20日からは、第2次公募も始まりました。
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➀キャリア相談
キャリアコンサルタント等の民間の専門家に在職者が自らのキャリアについて相談できる。
➁リスキリング
キャリア相談の結果を踏まえて、リスキリング講座を受講できる。
➂転職支援
キャリア相談、リスキリング講座の受講等を踏まえて、転職に向けた伴走支援や職業紹介を受けられる。
参照:<【経済産業省】リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業>
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政府が6月7日に閣議決定した「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」の中にも、
「個人のリスキリングに対する公的支援について、人への投資策を 5 年間で 1兆円の施策パッケージに拡充する。」と明記されており、政府としてもリスキリングを希望する人を応援しようする強い姿勢が見て取れますね。
今後もリスキリングは、企業のDX化や、労働者の賃上げといった文脈で、経済界では欠かせないキーワードであり続けることでしょう。
「失われた30年」と言われた日本経済の停滞を脱する一つのいとぐちとして、今後も要注目です!
関連リンク
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2022-09-30ブログ 「経済対策も準備中です!」