スタートアップへの投資で、最大20億円までの売却益が非課税となる日本版QSBS。
アメリカの制度を参考に導入されたこの税制優遇、実はスタートアップエコシステム強化のための重要な一手。
本記事では、日本版QSBSの仕組みとメリットについて解説します。
スタートアップへの投資に興味がある方も、自ら起業したいと考えている方も、ぜひ知っておきたい新しい税制です。
スタートアップを応援する政策の恩恵を最大限に活用する方法を、文部科学副大臣の私がお伝えします。
こちらの動画でもわかりやすく解説しています↓
YouTube:アメリカの1.5倍!? 話題の非課税措置枠【日本版QSBS】を解説
QSBSとは
そもそも、「QSBS」って、正直聞き慣れない言葉ですよね?
QSBSとは、「Qualified Small Business Stock」の略称で、アメリカの税制の1つです。
スタートアップの初期段階、資産5,000万ドル(約74億円)以下の企業に直接出資して、
5年以上株式を保有すれば、売却時のキャピタルゲイン、つまり売却のときの利益について、
年間1,000万ドル(約14.8億円)までが免除されます。
①長期的リスクへの対価、
②起業家からエンジェル投資家(起業して間もない企業に資金を出資する投資家)へのサイクル加速等
のための制度で、これによって、スタートアップ企業へ出資しようという動機が生まれやすくしているのです。
「既にお金のある人たちがスタートアップ企業に出資して更に儲けられるように手助けしているのでは?」と思った方もいるでしょうが、そうではありません。
世の中を大きく変えたり、その国の経済的成長にも大きくつながっていく可能性を秘めているのがスタートアップ企業。
しかし、スタートアップには、なかなか資金が集まらないという課題がありました。
その課題に対する糸口として、この税制が生まれたわけです。
日本版QSBSの特徴
アメリカのQSBSについて解説してきましたが、日本版QSBSとは、その名の通り、日本版の制度になります。
アメリカ版と比較して、特徴はあるのでしょうか?
日本版QSBSの特徴は、その非課税の対象金額にあります。
アメリカでは、年間1000万ドルまで非課税とお伝えしましたね。
かつては、アメリカ以外の国でも同様の税制優遇措置は導入されてるものの、日本では導入が進んでいませんでした。
しかし、2023年から変更した税制改正法案によって、
アメリカのQSBSより約1.5倍も多い、<20億円>の非課税措置を設けることができたのです!
これは、保有する株式を売却して得た利益について、創業期のスタートアップに投資したり、
自己資金で起業したりした場合に、非課税となります。
アメリカのように、リスクをとって成功した起業家や投資家が次の起業への再投資を大きくするスタートアップのエコシステムを作っていくべきであり、その為の減税措置として、いわゆる日本版QSBSの実現を訴えきた結果が実った形となりました。
スタートアップに追い風吹く!起業チャンス到来!
日本版QSBSの実現を受けて、日本政府のスタートアップを応援しようという強い姿勢が皆さまにも伝わっていると幸いです。
政府の目玉政策である、「スタートアップ育成5ヶ年計画」でも、スタートアップ育成関連の予算合計が1兆円を超えていますし、
今、スタートアップには追い風が吹いていると言えます。
皆さまも、自ら起業することを、人生の選択肢の一つとして考えみててはいかがでしょうか?
関連リンク
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2022-12-13「いよいよ日本版QSBSが始動します!」
2022-12-28ブログ「スタートアップと年末挨拶をYouTubeに配信中です!」
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