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「賃上げ支援」で暮らしを豊かに
2024-08-26

「賃上げ支援」で暮らしを豊かに

はじめに

私はかねてから、経済政策の真のアウトカムは「賃金」、もっと言えば「可処分所得」であると考えてきました。
その為、経済政策のみならず雇用政策も関係する会議体の事務局長などとして尽力してきました。
また、賃金に注目をした「日本版JGP」なども提案してきました。

それは、私がサラリーマン家庭育ちであったことも関係あると思います。
多感な中高生の頃に「リストラ」が初めて行われて、友人の親御さんが実際にリストラに遭い、先輩は学校を辞めざるを得なかったことも関わっていると思います。
就職氷河期世代がすぐ上の先輩たちに多くいて、内定取り消しで涙を飲んだ姿が昨日のことのように思い出されます。今もその先輩は大変な想いをしています。

故に、賃金、賃上げに強い想いを持って、政治家として歩んできました。

 

30年ぶりの賃上げの背景

これまでの日本の賃上げ状況を見てみると、賃上げ率は、自民党政権が安定して本格化するまでは殆ど増えず、それ以降も上がってはきたものの2022年まで2%前後の賃上げで推移してきています。
長い間、日本では大規模な賃上げは行われてこなかったことがわかります。

そんな中、2023年には大企業・中小企業ともに約30年ぶりの高水準を記録しました。
こうした変化の背景には、円安が進んでいることに加え、ロシアのウクライナ侵攻やエネルギー・原材料費の高騰により物価の上昇が進んでいることが挙げられます。そこで、物価上昇への対応が必要になりました。
こうした状況の中で、多くの企業が賃上げに取り組むこととなったのは、こうした状況の中で従業員の生活を守るためといえるでしょう。
従業員が働く様子

さらに、企業が賃上げを実施する背景には、人手不足も挙げられます。優秀な人材から選ばれる企業になるには、高い給与水準を保つことも重要です。
同時に、人手不足の状況下では今いる従業員で生産性を上げること、今いる人材の流出を防ぐことも重要です。
賃上げは従業員のモチベーションとエンゲージメント(企業への愛着や仕事への意欲)を高めることにもつながるため、この点でも賃上げは人材獲得・確保に効果的だと考えられているのです。

 

これまでの政策実績~賃上げ支援金の強化、大幅拡充~

まず、賃上げには、「隗より始めよ」ということで政権発足時から、国で公定価格を決めている医療(看護)、介護、福祉、保育の賃上げを大幅に行いました。また、その覚悟を示したのちに、政労使会議(※1)で民間企業に賃上げを要請させて頂きました。

ただし、中小企業小規模事業者は、賃上げが大企業に比べても一層大変です。
そこで、中小企業価格転嫁パッケージ(※2)を公正取引委員会まで巻き込んで推進することで、実行力を持って、価格転嫁が実現するよう努力してきました。

賃上げをする企業の後押しのために、助成金の大幅な拡充を推進してきました。
最低賃金引上げの支援策である業務改善助成金は、中小企業や小規模事業者の生産性向上を支援する取り組みです。

これにより、最低賃金を過去最高水準の引き上げや、機械設備、コンサルティング導入や人材育成・教育訓練といった、生産性向上に資する設備投資を行った企業に対して、それにかかった費用の助成を実現しました。

また、これまでは企業経由が中心だったリスキリング支援策は、一人一人のスキルアップのため、個人が主体的に選択できるよう個人経由の給付の割合が過半となるようにし、補助率や補助上限についても大幅に充実するよう力を入れてきました。

さらに、人手不足対応と生産性向上せねばならない事に悩む中小企業等に向けた、省力化補助金も創設。

配膳ロボット
IoTやロボットなどの人手不足解消に効果がある汎用製品を「カタログ」から選択・導入することで、中小企業等の付加価値や生産性の向上、さらには賃上げにつなげることが目的です。
個人事業店舗でも活用でき、自社の課題・ニーズに合わせて製品を選ぶことができます。

省力化製品を導入することによって、生産性の向上や労働環境の改善を図ることができ、人手不足が課題となっている業界において、効率的な作業プロセスを実現するための支援が提供されます。2024年3月末から公募を開始していますのでご活用ください。

また、賃上げ支援促進税制も強化、拡充が実現しました。

賃上げ支援促進税制は、企業の「賃上げ」を後押するために2022年4月1日から施行しているもので、企業の賃上げ・雇用拡大・人材育成を進める事業者に対し、その増加額の一部を法人税額から控除する制度です。

中小企業にとって賃上げは負担が大きいので、次元の異なる中小企業の賃上げ支援策が必要です。
令和4年度税制改正を通じ、旧制度の「人材確保等促進税制」が「大企業向け賃上げ促進税制」に、同じく旧制度の「所得拡大促進税制」が「中小企業向け賃上げ促進税制」へと再整備されました。

そして今年度、2024年度4月からは税制が強化し、ますます支援が拡大しています。
詳しくはYouTubeにて配信しております。

YouTube:【賃上げ】何が変わったの?給料上がるの?ズバリお答えします。

現役世代の賃金が上がることで、国民年金支給額を上げることができます。実際に、6月から国民年金が「賃金スライド」の効果で上がっております。

これらのことは、自民党の商工・中小企業関団委員長や、雇用調査会事務局長として、現場の意見をお聞きし、政策提言を強く申し上げ、推進してきたことです。

そして、リスキリングも、現在は文部科学副大臣として推進しており、働く仲間の皆さん一人ひとりへの直接給付をコンセプトに、5年で1兆円の「人への投資」も推進しております。
ちなみに、これらは、2年前、党本部の雇用調査会事務局長として、政府に提言してきたことなので、それを政府の側で推進するというのは、運命を感じます。

(※1 政労使会議)・・・政府、労働界、経済界の代表者が総理大臣官邸に集まり、賃金や雇用に関して意見交換を行う会議
(※2 中小企業価格転嫁パッケージ)・・・中小企業等が賃上げの原資を確保できるよう、取引事業者全体のパートナーシップにより、
労務費、原材料費、エネルギーコストの上昇分を適切に転嫁する取り組

 

今後の取り組み~「真の」デフレからの脱却~

今の時代、物価高に負けない賃上げを行うことが最重要であると考えており、賃上げを最重要政策として推進しています。
特に賃上げの難しい中小企業の支援が不可欠であり、助成金で賃上げを実現させる方針です。

地域経済の「湧き水効果」を重視して、地域経済の主な担い手である中小企業の生産性向上、付加価値向上と賃金向上を目指します。それは、GDPになかでも6割を占める「消費」の増加に直結します。

その為には、副大臣として担当している、いわゆる「テクノロジー」「イノベーション」を大きく推進することも重要です。
副大臣として、5つほどの新産業分野のプロジェクトチームを創り、座長として、政府内でも新た提言を取りまとめたり、推進したりしてきました。

また、リスキリングも、働く仲間の皆さんだけでなく、経営者にも行なう事を、令和6年の国の大方針や成長戦略にも入れて頂きました。
3000人の経営者のリスキリングを行います。勿論、日本は300万社の企業があるので、3000人は一歩目です。その後、一層拡大できるよう、まずは確実にスタートさせます。

更に、責任ある積極財政を行い国民生活を良くして経済成長を遂げるには、金融政策と円安から国民・企業を守る政策も必要です。

継続的な賃上げ・消費増による「真の」デフレからの脱却を実現し、物価上昇に負けない可処分所得の増加、「実際に暮らしが良くなったなあ」と一人ひとりが実感できる社会を目指します!

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