2つ目は、上記の「皆さん一人ひとりの考えを基礎に社会保障政策を考えていけるようにしていきたい」ということに関連したことです。
何もこれは社会保障政策に関することだけではありません。世の中のあらゆる公共政策の分野で同じことが言えます。
そこで僕は、こんな目標を掲げました。「自分たちが創っていると感じられる社会になること」
=しっかりとした民主主義の成立
人生は社会環境によって大きく影響を受けます。景気が良ければ比較的裕福な生活ができるでしょうし、景気が悪ければ生活は苦しくなります。それだけではありません。公立の教育がしっかりしていれば裕福でなくても良い教育が受けられますが、しっかりしていなければ一般家庭で子どもに良い教育を受けさせることは難しいかもしれません。
年をとれば、体のいろんなところにガタが来て、病院にいかなくてはならなくなりますし、介護も必要になるかもしれません。しかし、それも医療・介護の社会環境がきちんとしていなければ、満足いくものは受けられません。このようなことは、あらゆる分野に存在します。経済・教育・医療・治安・労働・環境・農業漁業・・・
しかし、全てのことを全ての人が満足いくようにはできません。それにはお金も人も資源もありません。皆さんで何をどれだけ重視するか?考えて、納得できるバランスの点を探し出さねばなりません。
「価値観の多様化してきた昨今では、ある人間の価値観では何も判断できない。」
ということが私の基本視点にあります。
こんな状況下では、これまでよりも遥かに、民主主義の成熟が求められると考えています。