都市部を中心に新型コロナ感染者が大きく増加しています。感染の中心にあるのはいわゆるデルタ株と呼ばれる種類で、これまでと比較してかなり強い感染力を持っています。
いかにしてこの危機的状況を乗り越えることができるでしょうか。ワクチン接種が2回完了して、その効果が十分に発現する2週間かかります。
ワクチン接種は既に約1.1億回人を超えております。
対象者の100%が望んでも、もう1.1億回人程度(100日+14日)をどう乗り切るのかが現在の課題です。緊急事態宣言の効果は明らかに薄れていて、人流を大幅に減らすことができなくなっています。
そこで当然、他国のような外出を厳しく制限するハードなロックダウンが議論に上がってきます。
一方、コロナ禍のみならず、ハードなロックダウンのような政策も行われてきました。北京オリンピックでは近隣の工場を、強制的に操業停止させることで大気汚染を止めましたが、悪影響が非常に大きかったと分析されています。
更に、我が国では、ロックダウンは、憲法上、様々な意見が出ており、決めるには、どうしても時間もかかると思います。
そのような時間をかけているわけにはいきません。
そこで直ちに効果を上げられるかもしれないのがプライシングアプローチです。プライシングアプローチは経済政策の分野で長く研究されてきたもので、経済効率的なコントロールが可能だとされています。
例えば、渋滞対策のロードプライシングなどが、これまでも活用されてきました。
新型コロナ対策の専門家会議は、人流抑制5割を提案していますが、これを実現する一つの方策でもあります。
例えば、東京では、電車などの公共交通機関の利用料金に上乗せ(1回1000円上乗せなど)をすれば、それだけのコストに見合わない不要不急の移動は大幅に減るでしょう。
どうしても行動しなければならない方は、後述しますが、経済支援の下で、行動してもらいつつ、効果的に人流を減らすことができるかもしれません。
その際に重要なのは、家計と企業の生存保障です。
人流を抑制すれば経済活動は停滞し、収入が減少したり、売り上げが減ったりします。このことに対する十分な手当てをしなければなりません。
在宅ワークに対する支援や企業への粗利保障、そして、何よりもエッセンシャルワーカーや低所得者層への交通費支援といった政策です。
昨年の特別定額給付金なども参考になります。何よりも迅速性が重要です。
今後1か月程度は、予備費で、充分にできる政策であり、今からでも行えるはずです。政府には強く望みます。
勿論、医療崩壊が起こらないように医療提供体制を強化する必要もあります。
ただ、人流が止まらねば、感染拡大そのものを抑えることは出来ません。
まず隗より始めよ。プライシングアプローチと経済支援を組み合わせは、一つのやり方ではないでしょうか?
最後に、このような対策を行うならば、我々国会議員も、東京など感染爆発をしている地域における移動は極力避けねばなりません。
写真は、昨年、尾身茂新型コロナ対策の政府分科会会長に直接お会いして、提言をさせて頂いた様子ですが、今は、基本的に、会議や打ち合わせをオンラインで行っており、実は、この件も提案させて頂いております。
私たち国会議員がテレワークやオンライン会議が、不便でも使い続けること、これこそ、「隗より始めよ」
非常に重要だと考えます。