石破茂幹事長が愛知にいらっしゃいました。私も所属する自民党愛知政治大学院で講演されました。
石破茂先生とは、私の師匠の一人である鴨下一郎元環境大臣(自民党唯一の医師・衆議院議員)のご紹介でお会いし、これまで勉強させていただいていました。
日本の閉塞感がなぜ生まれているのか、経済が伸びず希望が見えない理由など、今の日本の課題と解決策について非常に共感できる考えをお持ちです。
特に経済政策は、付加価値の高い製品やサービスで、安値合戦からの脱却を図りながら、シニア世代がお金を使いたくなる仕組みを考えようとされている点。
安全保障では、現実的に、日本と日本人を守れる方策を考えておられる点。
農政では、農業の多面的な価値を認め、強い農業をつくろうとしている点。
石破幹事長とともに自民党を改革し、正面から日本をこうするという提案をし続けたいと思います。
【石破先生の講演は下記】
日本は20年前、世界一の理想の国をつくりました。
世界で一番平和、治安、国際競争力1位、長寿、教育も医療も受けたい放題、エネルギーも使いたい放題でした。
20年後の現在、国際競争力は世界27位、一人当たりGDP23位。
領土をめぐる問題も噴出、恐ろしい殺人事件が増え治安も悪化。エネルギーは大問題、まさに壊れようとしています。
20年前の理想の国の時に新たな時代の為に、国の仕組みを変えなくてはいけなかったのです。
たとえば、安全保障。憲法9条のおかげで平和だったわけではありません。それで平和なら世界中導入しています。
20年前は米ソ戦力が拮抗してきて、バランスオブパワーだったからです。
今や、中国による危機、テロの危機まで出てきています。
小泉内閣で防衛庁長官(当時)が有事法制を作ったとき、戦車は赤信号で止まることになっていた。非常識な規制は取っ払いました。しかし、本当にやりたかったのは、今、必要な危機に対応できる戦車、航空機をきちんと予測される危機に対応して各地に配置したかったのです。たとえば、国際水準の戦車は北海道にしかありません。ロシアの陸軍が攻めてくることを想定していますが、今は考えにくい。それよりも原発も含めて、テロ対策ができる装甲車を全国各地に配置すべきです。海兵隊をつくるべきです。
海兵隊の第一目的は海外紛争時の日本人救出をするためのもの。今は、朝鮮半島で騒乱が起き、日本人が逃げようとした時、日本の航空自衛隊は助けに行けない。航空自衛隊は、安全が確認されないと出撃できないことになっています。日本人を守れない法律、体制になっています。
経済は、仕組み自体を変えなくてはなりません。安値合戦で中国、東南アジアに勝てない。
日本にしかつくれない高品質の製品をつくるためのマザー工場をつくる、設備投資にもっと割くべきです。少し高くてもイイものを売っていく戦略です。
我が国は、お金がないから不景気ではなく、お金が回らないから不景気という視点も忘れてはいけません。
60歳以上が6割のお金を持っていて消費が進まず景気浮揚しない(欧州では一番お金があるのは退職時、亡くなる時にはほとんどお金がない。日本では退職時から亡くなるときは殆ど同じで下手すると増える。将来が不安だからお金を使わない。)、女性の労働力も最低(週1時間でも働いている女性は45%)でお金が現役世代に行かないから、お金が回らないのです。
本来、国の根幹を変えるこういったことを自民党が正面から挑まなくてはなりません。
他党の悪口ではなく、自民党ならこうするということを堂々と示して、政権奪還を目指します。
【追記:農政】
農政について、自給率至上主義はいかがなものか。自給率という単一の数字ではなく、農地がどれだけ使われているか、農業インフラ(ダム、用水など)がどれくらいきちんと整備されているか、後継者も含めて農業が持続可能かなど考えるべき。
日本の反収は粗放農業のアメリカより遥かに低い、なぜか、たくさん採れると、生産調整する面積が増えるから、反収を上げない。それでいいのか?強い農業をつくることが重要。
JAのビジネスモデルをどう変えていくのか、その為に、農業協同組合法をどう変えていくのかを考えなくてはならない。
農業委員会法で、委員は選挙で選ぶことになっている。農地の転用を認めなかったら選挙で落ちる。農業委員を選挙で選んでいるのは日本だけ。これでいいのか。